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薬は絶対ではない

薬の効果をはっきり感じられる方は6割


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パニック障害の治療薬として日本で認められているSSRIのパロキセチン(パキシル)について、二重盲検比較試験及び一般臨床試験において、パニック障害に対する有効率は、1回10~30mg、一日一回投与の場合、60.2%であった、との報告がなされています。

つまり6割の人には効果が認められ、4割の人にはあまり効果が感じられなかった、ということです。
言い換えると、「効く人もいれば、効かない人もいる」ということです。
薬に過度な期待をよせるのもいけないですし、最初から「効かない」と決めつけてもいけないということです。

抗うつ薬の治療効果が、なぜこの程度なのかというのも、うつ病にしろ、パニック障害にしろ、原因はそう単純ではなく、ストレスや心理的要素、社会的要素など、複合的に原因が組み合わさることによって発症しているからです。
「脳内のセロトニンが減少しているから」という単純な脳の誤作動としてだけで、この病気を捉えてはいけません。

パロキセチン(パキシル)以外の抗うつ薬についても、有効性は概ね似たようなものです。
抗うつ薬も多数の種類がありますが、それらの抗うつ薬の治療効果を比較しても大きな差は見られません。
つまり、「格段によく効く抗うつ薬」というものはいまだ存在しません。
抗うつ薬が効く人は薬を飲んで治療を進めればいいのですが、中には効かない人も一定数いますので、どうしても薬を飲み続けなければいけないということではありません。

抗不安薬の有効性と問題点

抗不安薬の有効性については、疑う余地はありません。効く人にとってはっとえもよく効く薬です。
パニック発作も抑えてくれます。
しかし、抗不安薬は、長期使用による依存と乱用という問題と常に背中合わせです。
日本では、諸外国と比べてベンゾジアゼピン系の薬が過度に使われているようです。
年間消費量は20億錠ともいわれており、海外での使用率の平均の6倍以上にもなります。


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この事実に対して、反論として「日本は単純に患者数が多いからである」という論がありますが、国連の機関である国際麻薬統制委員会は、その理由を「日本の医師による不適切な大量処方にある」としています。
抗不安薬は、心療内科や精神科に限らず、内科の医師から処方されることも少なくありません。

抗不安薬の問題は、この大量服用と長期服用にあります。
WHO(世界保健機関)は、その服用推奨機関を30日までとしています。諸外国は概ねこれに従っており、特にイギリスでは4週間以上の処方は許可されていません。

長期間の服用による問題点は、薬の耐性がついてしまうことと、薬をやめようとするときに離脱症状という不快な症状がでてしまうことです。
快楽目的で使うというような乱用も一部では問題視されています。

その他、長期服用の副作用として、記憶障害、感情の平板化、頭が働かない、無気力、意欲の低下などの抑うつ状態、いらいら、情緒の不安定などがあります。
妊婦への影響はいまだ明確にはわかっていませんが、臍帯(さいたい)を通して抗不安薬が胎児に移行するため、出産後に胎児に離脱症状が出ることもあるといわれています。

一般的な副作用としては、眠気、めまい、頭がぼーっとする、性欲の低下、悪夢、吐き気、視力低下、離人症状(自分が自分でない感覚)、攻撃性や衝動性の亢進などがあります。。
これらの副作用は服用の初期にあらわれ、次第に軽減していきます。
強い副作用が出続ける場合は、服用を中止するか別の薬に変える必要があります。


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