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パニック障害Q&A

よくある質問と答え

よくある質問事項をまとめました。

パニック障害の原因は極度の過労やストレス?
パニック障害の原因」ページでも述べましたが、極度のストレスは脳の変調をきたし、脳内の神経伝達物質の分泌を乱れさせ、それがパニック発作の原因になるとされています。あまり深く考え込まないようにするのが良いでしょう。
就寝中でもパニック発作は起きることがあるの?
パニック発作は状況・時間帯・あなたの状態にかかわらずいつでも起こり得ます。たとえばお風呂に入っている最中は睡眠中でも起こる場合があります。夜間に発作が起こりやすい方はそれが不安で不眠症になってしまうこともあります。不安なときは睡眠導入剤を利用するといいでしょう。医師に相談しましょう。
パニック発作で死ぬこともありますか?
パニック発作は脳の分泌物の乱れが原因で起こります。実際に身体に異常があるわけはありませんので、死ぬことはありません。過度に心配する必要はありません。
子どものときに酷いいじめを受けました。これがパニック発作の原因になっていますか?
かつてはパニック発作は、トラウマなどの心因的な傷や個人の性格が原因で起こると考えられてきましたが、昨今では研究により脳内の神経伝達物質の分泌の乱れにより起こると言われています。あまり過去の体験は関係ないということです。いじめや酷い体験のことを思い出したり、そのせいでパニック障害になったのではないか?などと思い込まないようにしましょう。
広場恐怖とは何ですか?
急行電車、各駅停車、タクシー、バスに乗れない、エレベーターに乗れない、高速道路を運転できない、美容院や歯医者にいけない、スーパーやデパートに出かけられない、人ごみのなかに出かけられない等々。これらを総称して「広場恐怖」といいます。詳細はこちら
コーヒーはやめた方がいいですか?
コーヒーの中にはカフェインが多く含まれています。カフェインには覚醒作用があり、脳を刺激して興奮しやすくさせる作用があります。
また、自律神経を狂わせ、肩こり、頭痛、腰痛などを引き起こす原因となります。パニック障害の患者さんの発作を誘発することもありますので、絶対にだめというわけではありませんが、なるべく控えるように心がけましょう。
コーヒーの他に、カフェインが多く含まれているものは、玉露、ココア、栄養ドリンク、抹茶、ダイエットコーラ、紅茶、緑茶、ほうじ茶、ウーロン茶、番茶、玄米茶等です。
カフェインが含まれていない飲み物は、ミネラルウォーター、スポーツ飲料、麦茶、黒豆茶、杜仲茶、ハーブティー、ルイボスティー等です。
カフェインを取りすぎてしまったときは、スポーツ飲料で水分補給をし、牛乳や小魚などでカルシウムを摂取するとよいでしょう。
現実感喪失とは何ですか?
現実感喪失とは、パニック障害の患者さんが陥ることがある非現実感や現実感の変容のことです。
まるで夢の中にいるように感じたり、別次元にいるように感じることがあります。現在自分に起こっていることが、現実ではないように感じるのです。
統合失調症や薬物精神病患者さんも同様に現実感喪失を経験することが多いようです。
発作時の恐怖感により、現実から隔離され、現実ではないと感じさせる不思議な化学物質脳内が分泌されるのです。
もし現実感喪失が襲ってきそうな時や起こってしまったときは、腹式呼吸やその他のリラクゼーション法を行い、現実感を取り戻せるように訓練しておく必要があります。いつでも行えるようにそれらの方法を自己学習しておきましょう。
離人症とは何ですか?
離人症とは、自分のことを、自分自身のように感じない、自分自身でふるまっているようにかんじない状態のことをいいます。
パニック障害の患者さんは、外から自分自身を客観的に眺めているように感じることがあります。
パニック障害の患者さんは、きまってパニック発作と関連して離人症の機関に入り、その期間から脱します。
パニック発作が起こったとき、それに対処する最良の方法は、「何事も大丈夫、すぐに自分を取り戻せる」と自分に言い聞かせることです。
恐怖のために、自分自身との間に距離感が生じたり、自分の身体ではないような感じに襲われたときは、深呼吸をしながら、椅子に座り、木製のテーブルのような硬いものにすがっていれば、すぐに元の自分自身のように感じるようになります。
離人症の症状が長く続くことはほとんどありません。
なぜパニック発作時に心悸亢進や動悸が起こるのですか
パニック発作時には、アドレナリン(エピネフリン)が身体を瞬時にして駆け巡ります。
そのアドレナリンが神経を介して心臓に到達し刺激することにより起こります。
危険にさらされた人間が「闘争・逃走」行動を瞬間的に強力に発揮できるように、心臓はより速く血液を体中に送り出します。
パニック障害の患者さんの脳が、実際には何も危険は迫っていないのに、危険が迫っていると誤作動をおこしているためです。
動悸によっておこる心臓の鼓動を自覚すると、たいていの患者さんは不安が強まります。
ですが、この症状は心臓自体に問題があるわけではなく、脳の誤作動により、過った命令が心臓に贈られたことに起こるものです。
心臓の機能としては正常な動きをしているともいえます。
そう理解して、なるべくリラックスして鼓動が落ち着くのを待ちましょう。
パニック障害を持っているなら、子どもを作らないべきしょうか?
パニック障害の患者さんの生物学的第一親等の血縁関係者は、それ以外の人に比べて約4~7倍、パニック障害になる可能性が高いという報告があります。
しかし、パニック障害をもつ人の50~75%の人には、パニック障害を罹患した第一親等の血縁関係者がいないというのも事実です。
科学的には、パニック発作に関係のある遺伝子はまだ明確に特定はされていませんので、胎児の時点でパニック障害の遺伝子を持っているかどうかを調べることはできません。
パニック障害やその他の身体疾患をもった人たちのなかには、次の世代にそれら疾患の遺伝子を残したくないと考え、子どもをもつことを控えている人も少なくありません。しかし、将来遺伝子工学の発達により、それらの疾患遺伝子を取りにぞいたり、改善することができるようになるかもしれません。
すでに、のう胞線維症では、そのような手術が行われています。さらに、パニック障害の遺伝子を持って生まれた人は誰でもパニック障害を発病するというエビデンスはいまのところありません。
すべての事実を知った上で、子どもを持つか持たないかは、あなたとあなたの伴侶が決めることです。
医学の発展により、パニック発作のことを心配する必要がなくなる日が一日も早く訪れることを願います。


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睡眠不足(6時間以内)は、パニック発作を起こす原因になりますか?
睡眠不足はパニック発作を引き起こす体内ホルモンやその他の化学物質を刺激することがあります。
パニック発作の患者さんに進めているのは、睡眠と食事を充分に取り、できるだけ規則正しい生活を送ることです。
一つの事例として、深夜4時に寝て、朝の8時半に起き、朝食もざっと済ませ、急いで会社に出勤する、というような生活をしていた男性の例では、睡眠不足が講じるに従ってパニック障害が悪化していきました。
睡眠を誘う抗鬱薬のZoloftを投薬され、遅くとも12時までにはベッドに入り、8時には起きるように指導されました。
このアドバイスに従い生活するにつれ、3週間を経過したあたりから、楽になりパニック発作の頻度が明確に減少しました。
Zoloftをを服用しながら、規則正しい朝食、昼食、夕食のスケジュールを作り生活をしました。
2ヶ月間まったくパニック発作が起こらなかったので、彼は「治った」と勘違いし、規則正しい生活をやめてしまい、食事も不規則、睡眠時間も十分に取らない生活に戻ってしまいました。
すると、パニック発作が再発し始めたのです。
すぐに以前のような規則正しい食事と充分な睡眠をとるように生活を変えたところ、病状が改善しました。
このような事例は少なくありません。
女性は男性よりパニック発作にかかりやすいというのは本当ですか?
広場恐怖のないパニック障害の女性と男性の比率は2:1です。
広場恐怖を持つパニック障害の場合は3:1にもなります。
しかし、その理由はいまだ不明です。
脳内ホルモンが男性と女性で異なることに起因するのではないかと言われています。
男性の場合は、パニック発作が自身の身に起こっても、それを過小に申告し、アルコールやドラッグに頼って耐えているのかもしれません。
一つの事例として、アメリカ ペンシルバニアのアーミッシュ※では、男性がアルコールやドラッグを使用しない地域社会では、女性よりも男性の方がパニック障害に罹患している比率が高かったのです。
アルコールやドラッグのような脳を麻痺させる物質は、パニック障害を隠してしまうのでしょう。

※ジャコブ・アマンが創始したメノー派の一分派で、おもに18世紀にアメリカに移住。現在ペンシルバニアなどに居住し、きわめて質素な服装で、電気うや自動車を使用しないことで知られている。

自分にパニック障害のリスクがあるか知るための遺伝子検査や血液検査はありますか?
現在、パニック発作を発病するリスクを決定できる血液検査やその他の検査はありません。
精神科医は、その他の身体疾患を除外するために、血液化学スクリーニング、甲状腺機能検査、血液全般の血球数などの血液検査をします。
しかし、このような血液検査でパニック発作にかかっているか、かかる可能性があるかどうかを判断することはできません。
現時点では、パニック発作のリスクを診断する遺伝子検査もありません。
いまだ、パニック発作を引き起こす要因とsなる遺伝子が明確に解明されていないためです。
パニック障害の診断は、精神科医や心理療法家の臨床的診察によってのみ行われます。
ただし、肝臓や腎臓機能の血液検査によって、患者さんの身体が投薬治療を受けることが出来るかを判断することができます。
治療開始前や、治療を開始してすぐに血液検査を受けることは重要です。
チョコレートやたくさんの砂糖は、パニック発作を誘発しますか?
チョコレートや砂糖、駄菓子をたくさん食べるとパニック発作を起こしてしまうという明確な研究は現時点ではありません。
しかし、あらゆる病気を克服するために、適正な食生活は欠かせないことです。
また、抗うつ薬を使った治療が始まれば体重増加が現れるので、それを最小限にとどめるためにも、適正な食事は重要です。
過度の糖分の摂取は控え、駄菓子などもほどほどにしましょう。
精神療法はパニック発作を止めるのに役にたちますか?
精神療法は中枢神経(CNS)を穏やかにするのに効果を発揮します。
ストレスを感じたときに分泌されるコルチゾールなど、ストレスに関与する体内の多くの化学物質が、ほとんどのタイプの精神療法のあとで減少することが検査の結果明らかになっています。
こうしたストレスに関与する化学物質が体内から減少すると、パニック発作も減少します。
精神療法は、個人が心の中の葛藤を処理し、自分の抱いている気持ちに気づき、自己の行動を分析するように促します。
こうしたことによってストレス物質を少しでも減少させ、パニック発作を減少させていきます。
パニック発作が最も頻繁に起こる時間帯はありますか?
一日のうち、パニック発作が起きやすい時間帯というものは特にありません。
日中でも夜中でもいつでも発作は起こります。
外出時に起こる人の場合は、広場恐怖に発展することもあります。
夜間のパニック発作で目覚めてしまう人もいます。
パニック発作を止めるには、どんな薬を服用すればよいですか?
パニック発作を止めるには、抗うつ薬が最良の薬剤です。
これは依存性がなく、多くの点で神経系に有益な作用があります。
SSRIは神経により多くのセロトニンを供給し、パニック発作を沈めます。
詳細はこちら
パニック発作は、良くなる人と良くならない人がいるのはなぜですか?
薬剤を服用すればそれ以上パニック発作が起こらない人がいるのに対して、服用しても依然としてパニック発作が治まらない人がいるのはなぜか、それは明らかではありません。
パニック発作が治らない人の比率は、およそ半々と考えられています。
パニック発作で抗うつ薬を服用している人の50%が一年間の治療後パニック発作が起こらず、50%は再発すると言われています。
抗うつ薬が最も効果を上げるのは、中断せずに一年間服用し続けることです。
一年以内に服用を中断して、パニック発作が再発した患者さんの事例もあります。
投薬を続けながら、精神療法を並行して行うのは最良の治療計画の一つです。
精神療法は実際に脳内の化学物質を変化させうるのです。身体的なレベルにおいても、感情的なレベルにおいても精神療法は効果が認められます。

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