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【め】パニック障害 免許更新

パニック障害患者の運転免許更新について


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ドライブをする女性パニック障害の患者さんの中にも自分で車を運転することには特に不安がなく、
通勤に使っている方も大勢いらっしゃいます。
運転免許の更新については、パニック患者さんの中でもかなり不安を感じる方が多いようで、
講義を受ける際に発作が起きてしまうんじゃないか、パニック障害のことを知らせないといけないんじゃないか、等心配されているようです。
結論から言いますと、パニック障害をもっているということを、免許更新の際に申告する必要はありません。

平成26年6月1日施行の改正道路交通法では、【一定の病気に係る運転者対策】として、一定の疾病を持つ人について、免許更新の際の規定が変更になりました。
変更点は以下の4点になります。

免許を受けようとする者等に対する質問等に関する規定の整備

公安委員会は、免許の取得・免許証の更新をしようとする方に対して、病気の症状に関する必要な質問ができるようになります。
虚偽の記載・報告をした場合右矢印1年以下の懲役または30万円以下の罰金

一定の病気等に該当する方を診察した医師による診察結果の届出に関する規定の整備

医師は、一定の病気等に該当する方を診察し、その方が運転免許を持っていると知ったときは、その診察結果を公安委員会に届け出ることができます。

一定の病気に該当する疑いがある方に対する免許効力の停止に関する規定の整備

公安委員会は、一定の病気等にかかっていると疑われる方の免許を3か月を超えない範囲内で期間を定めて停止することができます。

一定の病気に該当することを理由として免許を取り消された場合の再取得に係る試験の一部免除に関する規定の整備

一定の病気に該当すること等を理由に免許を取り消された場合、取消しから3年以内であれば、再取得時の運転免許試験(適性試験は除く)は免除されます。

出典:道路交通法の一部改正

“一定の病気”とは

ここにいう一定の病気とは以下の病気になります。

  • 統合失調症
  • てんかん
  • 再発性の失神
  • 無自覚性の低血糖症
  • そううつ病
  • 重度の眠気の症状を呈する睡眠障害
  • その他自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈する病気
  • 認知症

また、これらの一定の病気に

  • アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒

を加えたものを「一定の病気等」と総称します。

運転免許の更新の際には、安全運転に支障のある疾病をもつ方の場合、
その内容を事前に申告し、医師から「運転しても問題ない」という診断書を提出しない限り、
免許の更新はできない、ということになります。

公道での安全を確保するためには、やむを得ない措置でしょう。
繰り返しになりますが、パニック障害に関しては、この「事前の申告を要する一定の病気」の対象とはなっていませんので安心してください。
繰り返しますが、パニック障害は、この「事前の申告を要する疾病」の対象とはなっていませんので、


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改正道路交通法は、この「事前申告」義務を果たさずに疾病の事実を隠して、
免許を更新した場合の犯罪を明記し、罰則を強化しています。

この法律改正は、過去にあった悲惨な事故が背景にあります。
一つは、てんかん患者によるクレーン車事故(小学生複数死亡)の例です。
もうひとつは、京都府祇園でのてんかん患者暴走死亡事故(運転者死亡のため病気との因果関係不明)です。

これらの不幸な事故は、いずれの運転者も疾病の申告義務を果たしていませんでした。
申告すれば免許を更新できないんじゃないかという不安・疑心暗鬼疑心がこのような申告の意図的な隠ぺいは行われ、その結果、多くの人の人命が奪われる結果となってしまいました。

ただし、過去に運転中や外出時に「気を失う」などの過去症例がある場合は、
今回の法改正で提出が義務付けられることとなった「質問票」にその旨を記載して提出しましょう。

質問票の「はい」にチェックをすると、免許が取得できなかったり、取り消しになったりするのではないか?と不安になるかもしれませんが、
記載内容について、個別にお話しを伺うことにはなりますが、安全な運転に支障がなければ運転免許を取得したり、継続もできますので、正しい記載を心がけましょう。
不安のある方は、事前に事務局に相談をしていただくとよいでしょう。

虚偽の記載をした場合には、罰則が科されます。
罰則は、1年以下の懲役または30万円以下の罰金となっています。

神奈川県の場合、下記のような質問票の提出が義務付けられています。
免許更新時に提出が義務付けられた質問票の例

医師から「運転しても問題ない」との診断をいただいている場合は、問題なく免許更新できるでしょう。

その他の不安要素としては、講義中の教室についてです。
免許試験場によっては、講義の最中に途中退室ができないところもあり、講義中はドアを締め切ってしまうところもあるようです。

このような試験場の場合、パニック障害の患者さんにとっては、教室が非常に恐怖を感じてしまう場所になってしまうと思います。

気分が悪くなったり、過呼吸などの症状が出た場合は、恥ずかしがらずに正直に「気分が悪いので一度退出させてください。」と試験監督につたえ、教室を退出しましょう。

また、不安を和らげる方法として、

  1. なるべく空いている回の講義を受ける(午後の遅い時間の方が空いているようです)
  2. 家族や友達に付き添いで一緒に来てもらう(免許センターによるようですが、廊下までは付添い人も入れる場所、教室の中まで大丈夫なとこがあるようです。)
  3. 教室に早めに入り、座席を教室の一番後ろ、出口の最寄の席にする(受付順に座るところもあるようですが、試験監督に相談してみましょう)
  4. 講習前に頓服用のパニック発作を抑える薬(ワイパックスなど)を服用する

といったことで、ある程度は不安を和らげることができます。

運転免許の更新に必要な講義では、悲惨な交通事故の画像等を見せられるので、患者さんの中には、それらを見ただけで、その事故を想像してしまい、恐怖にかられてしまう方も少なくないでしょう。
そのような動画や画像が流れている最中は、なるべく教科書などに目をやり、直視しないようにしましょう。
音声を聞いているだけでも、充分に講習の内容としては頭に入るはずです。

それでも心配な方は、事前に必ず管轄の免許センターにどのような対応をすべきかご相談いただいたほうがよろしいと思います。


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