最新の治療法から診断基準まで、治療前の方、治療中の方にも必ず役に立つ情報があります。

パニック障害・発作の薬Ⅲ

副作用が少なく、治療効果が高い抗うつ薬


スポンサーリンク


SSRI(選択的セロトニン再取込阻害薬)

SSRIはパニック障害の主流となっている薬です。
セロトニンが、元の細胞に再取り込みされるのを防ぐことで、セロトニンの量を負薬用に働きます。
セロトニンは、ノルアドレナリンやドーパミンの暴走を抑え、心のバランスを整える作用のある伝達物質です。

副作用としては、

  • 口の渇き
  • かすみ目
  • 便秘
  • 動機
  • 排尿障害

などです。

SSRIはこれら副作用が少なく、依存性もないため、治療効果をしっかり得たいときにも充分な量を投与することができます。

ただし、パニック発作を抑える効果があらわれるまでにある程度の時間がかかります。
少なくとも2週間から4週間、人によっては8~12週間たってはじめて効果が感じられる方もいますので、効果を実感できなくても、焦らず服用を続けるといいでしょう。

広場恐怖に対しては、ベンゾジアゼピン系抗不安薬に比べて圧倒的に高い効果があります。

副作用

基本的に少ないですが、飲み始めに吐き気やめまいの症状がでることがありますが、少量から服用を始めたり、胃腸薬を併用することで、対処することができます。

注意点

SSRIを飲み始めたときに副作用がある方は、投薬をやめるときにも副作用(離脱症状)が出ることが多いといわれていますので、必ず医師の指示どおりに量を減らしていくことがとても重要です。

三環系抗うつ薬

SSRIが開発されるまでは、パニック障害の治療薬の主流でした。
セロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害してパニック発作を防ぎますが、アセチルコリンにも影響するため、抗コリン作用による副作用を引き起こします。
SSRIと大きく異なる点がここになります。
現在は、パニック障害の治療に使われることは少なくなりましたが、欠かせない薬です。
副作用が強くてSSRIと相性が悪い方、SSRIが効かない方、うつ症状の強い方には、三環系抗うつ薬が適しているのです。


スポンサーリンク


副作用

抗コリン作用による、

  • かすみ目
  • 口の渇き
  • 頻脈
  • 記憶力の低下
  • 手の震え
  • 性機能障害
  • 立ちくらみ
  • 吐き気
  • 頭痛
  • 大量に服用すると心機能の低下のおそれ

などがあります。

SNRI(ノルアドレナリン・セロトニン再取込阻害薬)

SSRIの次に認可された第4世代といわれる抗うつ薬です。
SSRIがセロトニンのみに作用するのに対して、SNRIはセロトニンとノルアドレナリンの両方に作用することが特徴です。
抗コリン作用による副作用も少ない薬です。
特に意欲の低下や無感動に有効で、うつ病を併発しているときに有効な薬となります。

副作用

  • 吐き気
  • 頭痛
  • 排尿困難
  • 高血圧

などがあります。

その他の抗うつ薬(スピルリド)

スピルリドは、従来の三環系抗うつ薬とは作用が異なる抗うつ薬です。

頭が重い、肩が凝る、腰が痛い、いらいらするというような不快な症状を取り去る効果や、クヨクヨと思い悩む、病気に立ち向かう英気を養うといった、精神を活性化させる効果があります。
また、消化管の運動を活発にしたり、食欲を高める作用、吐き気や腹部の不快感を改善する作用などがありますので、吐き気の症状をもつ患者さんに向いています。

副作用

女性には、乳汁分泌、無月経、体重増加などがあらわれやすくなるため、治療開始時のみに使うなどの処方をします。

続きはこちら→パニック障害・発作の薬Ⅳ


スポンサーリンク

PAGETOP
Copyright © パニック障害克服・治療2018-2019 All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.